数年前にあれやこれやといろんな健康食品が次々と登場するなかで、キチンキトサンが
一大ブームを起こしたことがありましたが、そのブームはあまり続きませんでした。
その理由の一つはブームにノッて数多くの企業がキチン・キトサン市場に参入したため、
製品によって品質にあまりにも差があったことがあります。
すでに説明してますように
キトサンはキチンを脱アセチル化して精製
したものですが、当時はその過程でどうしても何割かのキチンが残ってしまいました
そのため、キトサンと銘打っている製品にも必ずキチンがそのままいっしょに含まれて
おりました。 その割合を示すのが脱アセチル化度で、当然のことながら
脱アセチル化度が高いほど、高いキトサンの効用が期待できます。
ところが、脱アセチル化度60%のものでも40%のものでもすべてキトサンあるいは
キチン・キトサンとして販売されていたのです。
したがって、同じキトサンでも体内での溶け方も違えば、吸収の度合いも違うため、
効果のあらわれ方もバラバラでした。
現在は、こうしたまぎらわしさを解消するために(財)日本健康・栄養食品協会が基準を
設定し、キトサンという場合には「脱アセチル化度80%以上」でなければならないと
されています。(ちなみに当社キトサンは85%~90%の度合いのものを使用)
キチン・キトサンブームが長続きしなかったもうひとつの理由は、たとえある程度の脱アセチル
化度をクリアしているキトサンであっても体に吸収されにくく、栄養効果を期待してという
よりは、ダイエット食品として利用されていたことがあります。
そっぽを向かれるのは当たり前のことです。
何故キトサンが体に吸収されにくいかというと、キトサンは脱アセチル化されることによって
酸には溶けやすくなりますが、そのままでは水には溶けないからです。
胃や腸から直接吸収できる分子量は役2万までといわれていますが、ふつうのキトサンは
分子量がまだ10万~100万以上にもなる高分子の状態です。
そのため水に溶けにくく、いくらキトサンを摂取しても胃や腸から吸収されるのは
そのわずか3%以下なんで、その程度の吸収量では、健康食品としての役割を
果たすことはできません。
健康食品としてのキトサンの効果を最大に引き出すためには、からだに吸収されやすく
してやらなくてはならないのです、それがキトサンを低分子化して水にも溶けるようにした
「水溶性キトサン」と呼ばれるものです